Antibubble, Antidome and Bouncing Jet

Abstract: We report our investigations on the form and behavior of droplets and jets.  An antibubble is a liquid-droplet which is surrounded by the thin film of air. Antibubbles can be formed in water, silicone oil, ethylene glycol, etc. Thin film of air is stable when the liquid is moving. And we found experimentally that water bounce off the surface of water, when we pour a thin stream of water.

Keywords: Antibubble, Bouncing jet, Surfactant, Surface tension, Thin film of air

概要：
　液体中に同一液体の液滴が形成されることがある。この液滴は周囲を空気薄膜で覆われているためバルクと合体しない。シャボン玉と逆の構造をしているのでこの液滴をAntibubbleとよぶ。希薄洗剤溶液、シリコンオイル、エチレングリコール、キャノーラオイル中にAntibubbleの形成を確認した。
　Antibubbleをつくる簡便な方法は、ストローに含ませた希薄洗剤溶液を同一溶液のバルク表面に落とすことである。静止状態のAntibubbleは数秒ないし60秒程度で崩壊するが、鉛直加振や溶液の揺さぶりなどで動的状態におくと崩壊しにくくなり、物理的に分割することも可能となる。水面直下で半球状に沈み込んだ液滴（Antidomeとよぶ）も動的状態で安定化し分割も可能となる。また、ストローとバルクの電位差を1.0Ｖ以上にするとAntibubbleは形成されなくなる。Antibubbleの空気薄膜厚測定を水上置換法と液滴上昇法によって行ったところ、1〜5μmであった。
　シリコンオイル、エチレングリコール、キャノーラオイルなどのバルク表面に同じ液体の液流を衝突させると、液流がバルクと合体することなく沈み込んだあと再び液流が水面上に出てくる現象が観察される。これをBouncing Jetとよぶ。この現象は液流表面に空気薄膜が形成されるため、液流とバルクの合体が妨げられるためと考えられる。Bouncing Jetは少量の界面活性剤を添加した水でも形成されることを見出した。

文献：
新井田恵美、藤島美樹、濱田恵、“第49回日本学生科学賞作品集”、読売新聞社(2006)
新井田恵美、藤島美樹、濱田恵、“第50回日本学生科学賞作品集”、読売新聞社(2007)
原田新一郎、形の科学会誌、22(1)、65(2007)
加藤将貴、河野健吾、新井田恵美、原田新一郎、形の科学会誌、27(2)、128(2012)