備長炭電池〜binchotandenchi

【実験】

  1. 炭の表面をたわしを使って表面の灰や炭の粉を水洗いし、乾燥させます。
  2. バットに濃い食塩水を作ります。
  3. 半紙に食塩水を十分に含ませます。
  4. 備長炭に3で作った紙を破かないように巻き付けます。
  5. アルミホイルを4にきつく巻きます。この時写真のようにアルミホイルの幅は紙より狭くしてアルミホイルと炭が接触(ショート)しないようにします。
  6. 赤リード線を炭(+)、黒リードをアルミホイル(−)に接続します。
  7. 各リード線の先にメロディーブザーを接続します。
  8. しばらく使用した後、アルミホイルを電池からはずして光に透かしてみます。

【結果】
半紙・食塩・備長炭・アルミホイル
メロディーブザーに繋いで不安定な音楽を聴く。
実験後、光に透かすとアルミホイルに小さな穴が開いていた。

【考察】

 備長炭とアルミ箔をリード線につないだままにしておくとアルミ箔はだんだん薄くなり、やがて小さな穴が開いてきます。これは、アルミニウム分子が電子を放出して陽イオンに変わって、食塩水に溶け込むためです。放出された電子はリード線をつたわって備長炭へと流れ備長炭の持つ微少な穴に吸着している酸素と結びつき、酸素は陰イオンとなって、食塩水に溶け込みます。このリード線を伝わる電子の流れで、ブザーが鳴ったのです。
ところで、この電池は炭なら何でもよいというわけではありません。備長炭のように電気をよく通す炭でなければうまくいきません。
 備長炭は、高温(1000度以上)で焼いた「白炭」と呼ばれる炭の一種で、一般に炭素含有量94%以上、高度10以上のものを使います。低温で焼いた黒炭にくらべ、不純物が少なく、炭素結晶が緊密に規則正しく並んでいるため、炭素の層の間を電子が動きやすい。つまり電気がよく通るのです。黒炭も、もう一度高温で焼くことで、白炭と同じように伝導率を高くすることができます。