水素結合
水素結合を理解するためのキーワードは電気陰性度と極性と静電気力です。
N,O,Fは電気陰性度の大きい原子です。
酸素と水素が共有結合している場合、間の電子は丁度真ん中にあるのではなくて、酸素の方にかたよって存在しています(酸素の電気陰性度が大きいから)。
その結果、酸素がやや少しマイナス、水素が少しプラスの電荷を持った状態になります(極性)。
そばに同じような別分子があると、
マイナスの酸素に別分子の水素が引かれます。
つまり、酸素と別分子の水素が弱く結合したことになります。
これが水素結合です。
絵を描きます。
H
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H−O−H・・・O・・・H
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H O・・・H−O−H
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H
これは水分子同士が水素結合で結び付いている様子を描いたつもりです。
点線の部分が水素結合です。
0とHが弱く「結合」しています。
実際の様子は立体的でこの絵とは違っていますが、言いたいことは通じますか?。
実際の立体図は教科書や図解に描いてあるかも知れません。
水素結合に起因する水の物性として次のものが有名です。
(1)分子量が小さい割に融点・沸点が高い。
(2)凍るとき体積が増加する。
《補足》
DNAの二重らせんは塩基対の間の水素結合によって保たれており、DNAの複製、RNAの転写、タンパク質の合成などでも水素結合がかかわっている。またタンパク質の高次構造も水素結合によって維持されている。(エッセンシャル化学辞典より)