高度と気圧
理想気体の状態方程式
pV=nRT
(p:圧力、V:体積、n:物質量、R:気体定数、T:温度)
n=w/M
ρ=w/V
(w:質量、M:モル質量、ρ:密度)
このn、ρを状態方程式に代入して変形すると
ρ=Mp/(RT)
このρを釣り合いの式
dp=-ρgdh
(g:重力加速度、h:高度)
に代入すると
dp=-gMpdh/(RT)
積分すると
(p0:地表での気圧、地表の高度を0)
よって
ln(p/p0)=-gMh/(RT)
すなわち
p=p0exp[-gMh/(RT)]
【具体的な計算】標高2000m地点の気圧を求める。
気体定数 R=8.31[J/mol/K]
空気の平均モル質量 M=28.8[g/mol]
重力加速度g=9.81[m/s/s]
温度 T=281[K]
地表での気圧 p0=1013[hPa]
以上の値を代入すると
p=795[hPa]
【参考】文献値:795.01hPa
国立天文台、「理科年表」、p.313(2006)
【補遺】釣り合いの式の導出
上下の面積がSで長さdhの空気柱を鉛直方向に考える。
下面に働く気圧をp1、上面に働く気圧をp2とすると、空気柱に働く力の釣り合いは
p1S=p2S+ρSgdh (ρ:空気の密度、g:重力加速度)
∴ dp=−ρgdh (ただし、dp=p2−p1)