ルミノール反応と周期的気体発生

【準備】

(試薬)
1.水酸化ナトリウムNaOH0.8g
2.ルミノール(3−アミノフタルヒドラジドC8H7N3O2)0.005g
3.炭酸カリウムK2CO325.0g
4.ピロガロール(1、2、3−トリヒドロキシベンゼンC6H6O3)1.0g
5.40%ホルムアルデヒドHCHO10mL
6.30%過酸化水素水H2O2

(器具)
1.100mLメスシリンダー
2.250mLビーカー
3.1Lビーカー
4.マグネティックスタラー
5.2Lビーカー

【実験手順】

1.250mLビーカーに純水40mLを入れる。
2.水酸化ナトリウム0.8gを加えて溶かす。
3.ルミノール0.005g、炭酸カリウム25g、ピロガロール1gを加えて溶かす。
4.40%ホルムアルデヒド10mLを加える。
5.溶液を1Lビーカーに入れ、このビーカーを2Lビーカーの中に置く。
6.部屋を暗くし、1Lビーカーに30%過酸化水素を30mL加える。

【実験結果】

1.実験手順6を行うと、溶液は泡立ちながら4秒間オレンジ色に輝き、気体が激しく発生した。その後16秒間青色の発光を示した(図1)。青色発光しているときは気体の発生が周期的であった。
2.青色発光が終わったあとも気体の発生は続いたが、その発生は周期的で平均周期は6.0秒であった(図2)。
3.周期的な気体発生は150秒間続いたが、徐々に発生量は減少していった。発生回数は24であった。
4.反応終了後の溶液は黄色で、ビーカーの外側に手を触れると非常に熱かった。

図1
図2

【考察】

1.赤色の発光は、アルカリ性過酸化水素水によってピロガロールとホルムアルデヒドが酸化され、そのとき生成した一重分子状酸素によると思われる。
2.実験結果1に見られるように、青色発光が遅れて起きた理由は、ピロガロールの酸化によって発生した熱がルミノール反応を引き起こしたことにあると考えられる。
3.この実験系で発生する気体としては、二酸化炭素、水素、酸素が考えられるが、実験結果3の気体が何であるかは分からない。
 また、気体発生がなぜ周期的になるかの検討は今後の課題である。