マルコウニコフ則(Markovnikov Rule)
 
 非対称の炭素炭素二重結合にHXが付加するとき、HXの水素は水素数の多い方の炭素に結合する。(Markovnikov1870)
 
[ 例 ]プロピレンに塩化水素が付加する場合。
 
 プロピレンの炭素炭素二重結合を構成する炭素原子2個に着目する。
左側の炭素原子には水素原子1個が、
右側の炭素原子には水素原子2個が結合している。
 従って、HClが付加するときマルコウニコフ則によって、
Hは右側の炭素原子に結合し、
Clは左側の炭素原子に結合する。
 
 
   
 
 
 
 
 
 
 
 
[ 理由 ]図はしばらくお待ち下さい。
(1)炭素炭素二重結合のπ電子に極性分子HClの陽性部分が接近して電荷移動錯体(π錯体)を形成する。
(2)水素が右側の炭素に結合し、左側の炭素はカルボニウムイオンとなる。(中間体)
(3)このカルボニウムイオンには電子を押し出すメチル基が結合しているため、中間体が安定であり生成しやすい。(マルコウニコフ則の理論的根拠)
(4)カルボニウムイオンに塩素が結合する。