二色の化学発光をする時計反応
緒方
       [準備]
 
*蒸留水、40mL
*水酸化ナトリウム(粒状)NaOH, 0.8g
*ルミノール(3−アミノフタルヒドラジド)C、0.005g
*炭酸カリウムKCO、25.0g
*ピロガロール(1,2,3−トリヒドロキシベンゼン)C、1.0g(ピロガロールを取り扱うウ前に危険の項を参照)
*40%ホルムアルデヒド CH2O, 10mL
*30%過酸化水素水 H 30mL
*手袋(プラスチック製またはゴム製)
*100mL メスシリンダー、 2本
*250mL、1L、2L ビーカー(
*マグネチックスターラーとかくはん子、またはかくはん棒、
 
 
 
 
 
 
 
ルミノール(上)、ピロガロール(下)
       [実験手順]
@ 手袋を着用して、250mLビーカーに蒸留水を40mL計りとる。
A 水酸化ナトリウムを0.8g加えて、かくはんして溶かす。
B 次にルミノールを0.005g、炭酸カリウムを25.0g、 ピロガロールを1.0g加え、かくはんして溶かす。
C さらに40%ホルムアルデヒドを10mL加える。
D 溶液を1Lビーカーにいれ、このビーカーを浅い皿または2Lビーカーの中に置く。
E 部屋を暗くし、1Lビーカーに30%過酸化水素水を30mL加える。かくはんは必ずしも必要でない。
 
       [危険注意]
@ ピロガロール(1,2,3−トリヒドロキシベンゼン)は有毒で、皮膚を通して吸収されるので、手袋(プラスチック製かゴム製)を必ず着用する。
A 30%過酸化水素水は強力な酸化剤であるので、 皮膚や目と接触させない。もし接触したら、直ちに少なくとも15分間水で洗い流す。もし目にはいったら直ちに医者の診察を受ける。30%過酸化水素水と可燃性のものを接触させない。 塵埃(じんあい)を含めてどんな汚染物も急速な分解を引き起こし、多量の酸素ガスを放出するので、いかなる汚染も避ける。30%過酸化水素水はもとのはいっていた容器に貯蔵し、容器の通気孔が正しく作動していることを確かめる。
B 水酸化ナトリウムは目や皮膚を激しくやけどさせる。固体水酸化ナトリウムからの塵埃(じんあい)は非常に腐食性である。
C ホルムアルデヒドの蒸気は粘膜を非常に刺激する。皮膚と接触すると皮膚炎を引き起こす。高濃度の蒸気に長くさらされると、喉頭炎、気管支炎、結膜炎や皮膚問題のような慢性効果である。予備的なデータは、“18ヶ月間15ppmのホルムアルデヒドにさらしたラットに鼻ガンができたこと”を示している。
D ルミノールの毒性と発ガン性は知られていない。
 
      [実験結果]
暗い部屋の中で、無色の液体を大きなビーカーの溶液に注ぐと、溶液は数秒間オレンジ色に輝き、泡立ち、その後数秒間青色の発光を示した。蛍光色のようで大変きれいだった。
反応終了後、部屋を明るくして溶液の様子を見ると内側のビーカーから溶液があふれ出していた(写真)。溶液の色は黄色であった。
また、ビーカーの外側に手を触れてみると非常に熱かった。
     
溶液調製中(左)
激しい泡立ち・発熱・発光の様子1(右)
激しい泡立ち・発熱・発光の様子2
二色の発光反応終了後の溶液
[参考]
Bassam Z. Shakhashiri,"ケミカルデモンストレーション2",丸善(1997)