ウミホタルの発光実験
T.I
 
[動機]生物の先生に乾燥ウミホタルを紹介され、発光を見たいと思った。
 
[ウミホタルについて]
 ウミホタルは日本近海特産の発光動物で、節足動物・甲殻類・介形目に属し、ミジンコに近い動物である。
 昼間はきれいな海底の砂地に隠れ、夜間遊泳して動物の死体等を摂取する。透明な二枚状の殻に包まれ、一対の複眼と一個の単眼を有し、口唇のもとに発光液を噴出する腺がある。刺激を受けると青紫色の発光液を噴出し、周囲の海水に美しく光る大きな「雲」を作り出す。
 
[実験]
【準備】
(1)材料:乾燥ウミホタル(海水から採集したウミホタルを発光物質・発光酵素が壊れないようにして乾燥保存したもの)
(2)器具:乳鉢、乳棒
【手順】
(1)乾燥ウミホタル10〜20匹を乳鉢に入れる。
(2)水を1〜2cc入れる。
(3)暗室内において乳棒でウミホタルをすりつぶす。
すりつぶす直前の写真
 
[結果]
 乳棒ですりつぶすと、青い発光が観察された。発光は瞬間的なものではなく、青い発光が少しの間持続した。光が弱いため発光の様子を撮った写真には青い光が写らなかった。
発光中に撮影した写真
 
[考察]
 ウミホタルの発光器内にあるタンパク性の物質ルシフェリンと、発光を促す酵素ルシフェラーゼが水を加えたことによって発光現象が起きたと考えられる。
 ルシフェリンの構造はトリプタミン・イソロイシン・アルギニンの3種のアミノ酸またはその誘導体からなるといわれている。